青と雨
「こんな天気の中よく来たね。」
「お前が思ってるより、外は穏やかだよ。」
田淵はかるく微笑みながら黄色の細い棒を茹でている。
たぶん、匂いからしてミートスパゲティだ。
私はソファーに移動して近くにあった毛布を被り、エアコンを付けた。設定温度は20度で、風力は強だ。
「そんな寒くしたら風邪ひかないか?」
そう言いながら田淵は出来たものを器用に運んできた。
予想は当たっていた。
「どこで食べる」
「まって、こっち。」
私はキッチンの近くのテーブルに置こうとする田淵を止め、目の前の机を指さした。
はい、と田淵は皿を置いてフォークを私と皿のあいだに設置した。