【冴えない貴方は御曹司!?】番外編も完結しました!
祐輔さんは今日、終日専務室に籠もるとのことで、ウチの部署のデスクに忘れ物したから届けてと、直接私のスマホに電話があったのです。

目的のものを携えて、専務室のある11階へエレベーターで向かいました。

11階は役員室、秘書室と大会議室がありますが、専務室はちょうど中程にあります。

秘書の石田さんに案内されて行った先は、専務室ではなくて、社長さんのいらっしゃるお部屋で、あれれと思って秘書さんに尋ねると、専務も社長室ですから大丈夫?だそうです。

大丈夫って、何がなのでしょうか?

少し不安を覚えましたが、秘書さんも大丈夫って言っているしね、きっと大丈夫。

秘書の石田さんがノックをしてから、私
を先導するように中に入っていきます。

「やあ、友梨香さん元気そうだね」

ああ、社長さんどうも!のあとですが、ウチの父がソファにデ~ンと腰掛けて、クッキーを食べていました。

その上、女性秘書へコーヒーおかわりって、何なのでしょうか?

「ええと…」

祐輔さんも笑って、私の反応を見ているようです。

実はなと、社長が話し出しました。

「祐輔と友梨香さんの婚約をね、50周年記念パーティーでついでに発表することにしたよ」

ついでなんだ、と思ったことは秘密です。

異論はないねと、次々に日程が決められていきました。

この私が、本当に結婚?それも、まあまあの規模の会社を経営する一家の御曹司とですよ。

相変わらず偉そうにコーヒーを飲んでいる私の父は、お前ん家の息子が相手とは、何となく微妙な感じだなですって。

ここで微妙なのは、貴方ですからね、お父さん!

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