【冴えない貴方は御曹司!?】番外編も完結しました!
その後は、橘さんの退職願も却下され、あのあることないことを並べて迷惑を掛けた3人組は、受付業務をするに相応しくないとの判断を受けて、それぞれ別の部署へと異動になりました。

そしてもう一人、虚偽の報告を真に受けて、いけしゃあしゃあと上司に報告した課長はと言うと、地下倉庫係の係長に格下げとなって異動となりました。

お気の毒にとも思わないでもないですが、やはりこれは、自業自得と言うことになるでしょうから、同情など致しません。

でも、廊下で会ったら挨拶はしようと思ってはいますよ。

そして、橘さんは今日もにこやかに優しい笑顔満載でお客様に応対していますが、あの一件で、愁いを帯びてより大人っぽく美しさに磨きが掛かっています…。
そのせいで、しつこくつきまとうストーカーのような取引先の営業マンに、来る日も来る日も言い寄られているようなのです。

彼女は毎回、ちゃんとお断りしているそうなのですが、相手は本当に橘さんを好いているのでしょう。

そしてどうやら、その営業マンと言うのが、社の取引先の御曹司で、営業もろくに出来ない政略結婚間近のぼんぼんが、橘さんじゃなきゃ嫌だとごね始め、今回の騒動を起こしたそうです。

勿論、直ぐさま、ぼんぼんの父親でその会社の社長が謝りに来たのは言うまでもないことで、しかしそれでも取引中止になったと言うことですが、それはそうですよ、だってこちらの社長の息子が救急車で病院に担ぎ込まれる程の事件を引き起こしたんですものね。

当時の私は、こちらの社長の息子さんが好きでしたけれど、彼の方はずっと橘さんに想いを寄せているのが分かっていましたから、告白などしないで片想いで終わるものと思っていたのです。

でも、人生ってどうなるかなんて、分からないものですね。




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