【冴えない貴方は御曹司!?】番外編も完結しました!
会社の御曹司(祐輔の父)目線

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《あっ、この時間は橘さんの担当だったな!》

嬉しそうに総務部を出て受付に向かっている俺は、この会社の、一応、御曹司で、名を逢坂浩輔(オオサカコウスケ)と言う。

別に来客リストなんて、部長である自分が持って行かずとも、課長なり係長なりがすればいいのだが…実は多少どころではない、随分と大きな下心がある俺は、いつだって橘さんが受付担当の時間を見計らって、ルンルン気分のままスキップでもしそうな勢いで、1階のそこへ向かうのだ。

『何か変わったことはない?』

さり気ない雰囲気を装って、いつもの決まり文句をいいながら近付いて行く。

ありませんと言う橘さんに、只、そうかと返事をして、来客リストを直接彼女に手渡す。

『部長がわざわざ届けて下さらなくても、取りに参りますが…』

これがいつもの遣り取りで、俺は、君の笑顔が見たいんだとは言わない代わりに、これも部長の仕事だよ、なんて格好付けてみる。

嗚呼、今日も会えたし幸せだ。

俺は何事もなかったように振る舞って、それじゃあ、定時まで頼んだよ!と言って、部署に戻るんだ。







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