【冴えない貴方は御曹司!?】番外編も完結しました!
外出先から帰社した時に、偶然従業員用出入口で同期の各務と久々に会ったけれど、イケメン具合ハンパないな~と、まじまじとこいつの顔を眺めてみる。

それに、こいつは暢気で面白い奴なんだよね、なんて思っていると、何やら、受付の方から女性の泣き声らしきものが聞こえてきた。

よくよく見れば、橘さんが一人の男に壁ドンされているではないか~。

あの男め、俺の橘さんに何をしてくれてんだ!

俺は少し離れた所にいる彼女に猛ダッシュで駆け寄って、男を引き離そうと近付いて行った…んだった気がするが、あれ以降の記憶がないんだよな。

ああ、橘さんはどうなってしまったんだろう。

彼女のことが気になって、不意に起き上がったら、目眩が…。

俺、何やっているんだ、ここ病院なのか?

すると、お袋が心配そうに声を掛けてきた。

『浩輔さん、大丈夫?貴方、暴漢に頭を殴られたのよ』

へえっ?俺、橘さんを助けようとして、あの男に近付いて行ったんだけど、殴られたのか…何だか情けない。

『受付の子は?』

お袋が大丈夫だったみたいよ、良かったわね!と、ホッとした表情を見せた。
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