【冴えない貴方は御曹司!?】番外編も完結しました!
俺が失恋したあと少ししてから、橘さんと同じ受付の女性が告白してきたけれども、自暴自棄となっていた俺は、軽く、良いよと言ってOKしたら、彼女は凄く驚いていた。
何だよ、自分で告ってきておいて…。
橘さんじゃなければ、もう誰だって一緒に見えるんだ、この際、本当に誰でもいい!
彼女の名前は、吉澤美咲(ヨシザワミサキ)さんと言って、普通に美人な女性だったけれど、イマイチ記憶に残らない美人の類に入ると思う。
まあ、受付にいる女性社員は、皆美人だと評判なのだが、一応俺は総務部長として、公私の区別はつけるつもりだが、う~んOKしたことを後悔し始めている。
俺、凄くいい加減で厭になってきた、自分のことが。
仕事は取り敢えずしているが、落ち込んでいるのは誰の目にも明らかだったようで、何人かに元気出せよと慰められる情けない俺。
吉澤さんと付き合って2週間経っても、お茶すら行ったことがない。
これではダメだと食事に誘ったが、あまり楽しくなさそうだ。
きっと俺も盛り上がる話題に乏しく、つまらない思いをさせているのだろうな。
こんなことを続けて1か月、遂に彼女から別れて欲しいと言われてしまった。
仕方がないな、俺が悪いんだろうし、本当に申し訳ないと思っている。
だから、分かった、今までありがとうと告げたんだ。
そして去り際に、偶然彼女の顔を見てしまった…笑っているのに、目にいっぱい涙を溜めていたんだ。
俺はその泣き笑いの顔が忘れられないまま、あやふやで意味の分からない気持ちのまま毎日を過ごしていた。