【冴えない貴方は御曹司！？】番外編も完結しました！

そんなある時、彼女、吉澤美咲さんが退職願を提出してきたのだ。

俺はポカンとしてその書類を眺めていたけれど、ハッと我に返り、どうして？と彼女に尋ねていた。

『……実家に帰ろうと思いまして…』

確か彼女の実家は、新幹線で1時間程の関西地方の公家文化が息づく、伝統のある街だったと記憶している。

俺は突如として、辞めないでくれと引き止めていたけれど、それが部長の立場から来るものなのか、それとも純粋に彼女にココにいて欲しいからなのかは、この時は分かっていなかった。

そこで、吉澤さんを説得して、あと半年保留にして、じっくりと考えるようにと進言すると、俯いたまま、見合い話があって多分そのまま結婚するのだと言うのだ。

一瞬パニック！エエエエ何がどうなってどうすれば良いのだろう…？

どうしたいのかと、自問自答してみるが、漸く分かったんだ、俺はもう、彼女のことが好きなんだって。

ウエエ、何ちゅう小っ恥ずかしい奴だよ、俺って！彼女に別れを切り出させて、どんだけ泣いたんだこの子は。

ヨシ、決めた。俺、この子と結婚する！

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そしてあれよあれよと言う間に、結婚話が纏まった。