シ者-nagisa-
僕はずっと利口な人生を
生きるべきだと思っていた。
なのに、何故か今はそれが
虚しいものだと思ってしまう。
分かってしまったから。
利口な人生なんかじゃない。
今までの僕の人生は
逃げの人生なんだと知ったから。
僕はずっと逃げていた。
訪れる現実に理由をつけて
逃げて逃げて逃げ続けて
だから、今の僕はこうなんだ。
営業二部に戻った僕は
至に白咲さん達とお昼ご飯を
食べに行こうと誘った。
至は嫌な顔一つせず
首を縦ふってくれた。