シ者-nagisa-
渚「帰ったって眠れないから。」
いつになく白咲は真剣な表情を見せた。
いつもは愛想を振りまいて
へらへらと笑ってる奴だけど
今の白咲にはそんな姿の欠片もなくて
思わず俺は釘付けになった。
渚「私、松野社長の事
すごいなって本気で思うから。
いくら世の中が平等平等って
言われててもやっぱり女って
働きにくいんだよ。
寿退社すれば女は逃げ道があっていい
なんて言われるし、結婚せずに
会社に残れば適齢期を過ぎたお荷物だ
なんて言われるし、なんだかんだ
男の人が下に見てるの分かるから。
逆境や不満は沢山ある世の中なのに
自分の力で会社立ち上げて
あそこまで大きくして‥尊敬する。
だから、少しでも松野社長の
手助けが出来たらなって思ってさ。」