シ者-nagisa-

至「大丈夫だよ。
俺、あんたみたいな女大嫌いだから。
もう二度と話しかけないよ。」

そう言うと至はレジに向かって
歩いていった。
僕には一生、至や彼女の気持ちが
分かる事はないけれど
それでもやっぱり彼女が
傷付いたんじゃないかと心配になった。

颯「至、あんな事言って平気なの?
彼女、傷付いてるんじゃない?」

至「大丈夫だよ。
ああいう女は生まれた時から
傷付かないように出来てんの。
繊細な颯とは違うんだ。」

生まれながらに傷付かない人
なんているはずがない。
そう思う僕には、至の言葉の
意味が分からなかった。
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