シ者-nagisa-
現実はつまらない事ばかりで
大人になると理不尽な事ばかりで
昔に戻れたらいいのにと何度も思った。
でも、目を開けると
そこには25歳の僕がいて
もちろん小さい頃に思い描いた
未来を歩んでいる事はなくて
落胆し、色んな事を諦める。
そんな日々を繰り返しながら
僕はずっとこの場所で足踏みしていた。
僕がピアノを弾き終えると
彼女は大きな拍手をしながら
立ち上がり一筋の綺麗な涙を流した。
僕はその時、初めて恋を知ったんだ。