誰かに届け ~本当の檻~
本当の檻
僕は毎日檻の中で退屈していた

そんな僕のところにカラフルな鳥が飛んできて言った

『こんにちは!、なんでつまんなそうな顔をしているの?』
僕はそれも分からないからさと答えた
僕は昔から鳥という生き物が嫌いだ
もう分かっている自由と不自由を他人事のように言うからだ。
僕はカラフルな鳥を怒鳴り、追い払った
けれどカラフルな鳥は次の日も来た
何回追い払ってもカラフルな鳥は毎日来た
ある日カラフルな鳥はこう言うようになった


『私の友達にならない?』



僕にとってその言葉は無縁なものだと思っていた
初めて事を考えた
けれどそう言ったのは嫌いな鳥だ
(どうせ僕をからかっている、どうせ僕は一匹)
そう僕は自分に言い聞かせた
カラフルな鳥が来るようになって数日
今日もカラフルな鳥は僕のとこにやってきて友達になる事を押し付けてきた
鳥はいつもよりも早く引き返して行った
羽がぼろぼろになっている事が僕は少し気になった

その日の夕方、からかう鳥が僕のとこに来て言った
『この頃カラフルな鳥がここにきてるでしょ、あの鳥いつも檻から抜け出してここに来てるんだよ、そのたびに人間に捕まってて、馬鹿だよな』
と、言ってきた
僕はその言葉にとても怒りが走った
始めて怒った
それからもカラフルな鳥は毎日来た
そしてカラフルな鳥は毎日色んな話をしてくるようになった
いつの間にか僕はカラフルな鳥が来るのを待つようになっていた
なんだろうこのわくわくは
僕は初めて楽しみを知った
けれど今日僕のところにカラフルな鳥が来ることはなかった
僕は明日来るだろうと思った
だが今日も来なかった
その次の日も
僕は鳥が心配になった
僕はうずうずし始めた
そんな時カラフルな鳥が言っていたことを思い出した
『やろうと思えばこんなの簡単に出れる』
僕は始めて本気で檻を出ようと思った
僕はできる
僕はできる‼️
僕は初めて砂に足を置いた

『カラフルな鳥!どこに行ったんだっ』
人間たちを飛び避けて走って走って走った!
とその時カラフルな鳥が人間の手の中に握られているのを見つけた
僕はとっさに人間からカラフルな鳥を奪った
『おい!、おい!、しっかりしろ!』
だがカラフルな鳥はピクリともしない
もうカラフルな鳥は抜け殻になっていた
僕は初めて涙をこぼした

だが人間は冷酷だ
黒い筒を向けられた
パンッ‼️
僕は死んでしまった事に気付いた

そして僕の隣にカラフルな鳥がいることに気づいた
抜け殻ではないカラフルな鳥だ
カラフルな鳥は言った
『ねぇ!私たち自由だよ!』
鳥は会った時と同じとても綺麗な羽をとても大きく広げた
それを見て僕の心にあった檻も綺麗に無くなった

さぁ、あなたもどこかに自分の檻を作っているんじゃない?
本当の檻は見えないものかも
何かとても言いたい時にのどで止まって言い出せない、それも檻かも
それを無くしてくれるのは血の繋がってるお母さんかも、もしかしたら友達かも、もしかしたら人じゃないかも
幸せになるには時に自分以外を頼ることも
時には必要だ
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