二度とない、もう一度。
塾の教室に入ると、ちょうどどこの高校も中間テストが終わった頃だからか少し騒がしい。
「陽菜ちゃん!」
「みっちゃん久しぶり〜」
塾仲間の吉田美沙ことみっちゃんは私の元へと走ってくるなり耳元で話し始めた。
「湯川先生、生徒と二人きりで食事に行ったらしいよ」
ーーーーーーーえ?
「なんかテストの結果よかったらご飯いこって言ってたらしいの」
なにそれ
なにそれなにそれなにそれ。
そんなのーーーーーー
私は…
何を自惚れていたんだろう。
私だって先生からしたら他のこと変わらない一人の生徒なんだー…