二度とない、もう一度。
「おー、今日は麻婆豆腐か。いいね」
「私は結構辛いのが好きなんですけど…先生は?」
「おれも辛い方が好きだよ」
麻婆豆腐を豪快にご飯にかけるとビールと一緒にかきこむ。
何度が食事を共にして分かったことがある。
私たちは結構趣向が似ている…みたい。
味付けも先生好みらしく、いつもオーバーなほどに喜んでくれる。
「そういえば俺、陽菜の学校の話とかあまり聞いたことねえな」
「そうかな?」
「友達とかどんな子?」
「うーん…基本的に一緒にいるのは真奈美と遥斗」
「遥斗?」
「うん。幼稚園からの幼馴染の男の子で、親友みたいな感じ!真奈美は小学校の途中で転校してきて…って真奈美のことは知ってるでしょ?」
「そういえば小学生の時からよく聞く名前だな」
真奈美と仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
気が強くて、あのころは男勝りだった。
遥斗と私はいつも一緒に遊んでいたけど、気がついた時にはそこに真奈美が加わった。
高校受験の時も互いに別々の塾でかなり頑張ったと思う。
真奈美はギリギリだったみたいだけど…でも今こうして三人で同じ高校に通えているのは、本当に嬉しいことなんだ。
「先生の高校生時代ってどんなだったの?ていうか先生って地元どこなの?」
「質問攻めだな…」
「だって気になるんだもん」
「んー………一緒に来るか?」
「え?」
「地元」