二度とない、もう一度。
未だに火照る私の身体を優しく先生が包み込む。
「身体…大丈夫か?」
「うん、平気」
「ごめんな、病み上がりなのに」
ブンブンと顔を横に振った。
大事にされているような気がして
涙が出そうになる。
「先生………もうすぐ夏になるね」
「そうだな、梅雨ももう少しであけそうだしな」
「あの…」
「どこか行こうか」
私が言う前に先生が言った。
「…えっ、いいの?」
「ああ、いいよ」
こんなこと絶対断られると思ってたのに。
先生から誘ってくれた。
「今日はもう遅いし帰ろう」
「………うん」
離れたくない。
奥さんのところに………帰らないで…
「またね、先生」
そんなこと言えないよ。