二度とない、もう一度。
はあ、と大きくため息をついた。
広がる空の下で先生のことを考える。
ーーーーー会いたいな。
「陽菜、携帯鳴ってるぞ」
"湯川先生"と表示された携帯を慌ててとると
「ごめん、電話してくる」
その場から離れた。
「も、もしもし…っ」
"あーもしもし、陽菜?"
「う、うん…」
受話器越しだからか少しいつもと違う声。
"夏休みいつからだっけ?"
「えっと……7月21日…かな?」
"了解"
「それだけ!?」
"今日、授業のあと飯食いに行くから"
それだけ言うと電話を切られた。
なんだったんだろう……
「陽菜〜!教室戻ろ〜!」
「あ、うん!今行くー!」