二度とない、もう一度。
お昼休みのチャイムを聞いてすぐに親友の佐藤真奈美(さとうまなみ)と屋上へ向かう。
「はー、おなかすいたっ」
真奈美はお腹を両手で抑える。
「四限ぴったりに終わってよかったよね」
笑いながら屋上の扉を開けた。
「よ、おつかれ。陽菜」
私達を見るなり軽く手を挙げて挨拶をしてくるのは
幼馴染の今村遥斗(いまむらはると)
「遥斗はやーい」
真奈美が遥斗の目の前に座るとすぐにお弁当箱を開ける。
お腹がすいて待ちきれなかったのかな。
「もうすぐ中間テストだね」
私の言葉に二人は分かりやすく肩を落とした。
「まじやばーい。あたし全然勉強してない」
「俺もやべー」
もう……
でも私も入学してから勉強少し減ったかも…。
せっかく湯川先生のおかげで入れた高校だし、しっかり勉強しないと。