セカンド·ワールド_
待つこと五分

誰かが鉛筆を動かした

試験官はその子をジッと見つめ、名簿に何かを記録した

そして
「375番、不正解、失格、帰ってよい」

場が凍りついた

試験官と"375番"の子にはそれなりの距離がある

なぜ解答用紙の字が見えた?


「さ、サイ先生!なぜですか!?
 これが間違っているのですか!?」

「試験官の指示に従えと、言ったはずだ」

"375番"の子は重い脚で廊下に出た



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