心の声は届かない。
「え?」


カメラの音がして起き上がってしまった。


「あ…ごめん。
もう、見れないと思ってたから…」


撮った写真が映ってるだろうスマホの画面を見つめてるあいつ。


…なんでそんなに泣いてんだよ。


「何撮ってんだよ」


「記念?
君ととった写真ほとんどなかったんだ。
こんなことになるならもっとたくさん撮っておけば良かった」


まるで俺と別れるのが嫌だと言ってるような口調。


「言ってくれれば写真なんていくらでも撮ったのに」

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