あとは野となれ山となれ
「なっ…。お前、何しやがる!!」

突然の反撃に狼狽える犯人一味を横目に、私の瞳はすぅっと細くなった。

「ったく。大人しく妹を解放すれば命だけは助けてあげようかと思ったけと…。とんだゲス野郎共ね。まぁ、手加減の必要がなくなったからこっちとしては有難いけど」

指と首をボキボキならしながら近付く。

「あんた達さぁ、うちが金持ちだからこの子誘拐したんでしょ?でもね、金持ちの家ってやっぱり物騒なわけ。だから大概一家に一人用心棒がいるものなのよ」

近くに落ちていたビール瓶を拾う。
それを思い切り横の柱に叩きつけた。
妹の前に立って凶器と化した瓶を奴らに突き付ける。

「さぁ、相手してあげるわ。この子に指一本でも触れてみなさい。すぐに血祭りにあげるから!」

瓶の破片で妹が縛られている縄をぶちっと切った。その音を合図に大乱闘が始まった。

< 5 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop