王子様は重症です!
「ふ、ふふふ。この僕より美しい者など存在しない!」

「じゃあ、毒リンゴでも与えます?」

「いや、ここは話し合いで解決しよう。僕に世界一の美しさを与えると誓わせてみせる!!」

どんな条件だよと、ツッコミを入れてくれる人はいません。

「待っていろよ!白雪姫!」


メス狼さんの隣の家に住んでいる白雪姫は、藁の家に悩んでいました。

「やっぱり作り直すか。悪いが、この家吹き飛ばしてくれないか?」

「いや無理。てか、何で俺呼ばれてんの?帰っていい?」

前作の狼さんは、白雪姫に呼ばれたようです。

「吹き飛ばさないと赤ずきん呼ぶが?」

「鬼かよ!!俺は帰るからな!!」

狼さんは胃を押さえて帰っていきました。

「どうしようか。まぁ、自分で壊せば良いな」

白雪姫は大きなハンマーを取り出すと、それを振りかざしました。

ですが―。

「おい、そこのお前!この変にしらゆ―」

「悪いが静かにしてくれ」

白雪姫は馬に乗ってやってきた王子様に、ハンマーを振り下ろしました。

「ぎゃぁぁぁぁぁ!何すんだ小娘ぇぇぇぇ!!」

「この藁の家を壊すんだ。邪魔だから下がっていろ。後寄るな」

下がれと寄るなはほぼ同じですね。どうやら白雪姫は口調が男前で男嫌いな性格のようです。

「なんだと!!もームカついた!これでも食らえ!!」

王子様はもろにドクロついてるリンゴを投げつけました。

すると、白雪姫はその毒リンゴをハンマーで打ち返しました。

そのため、リンゴは王子様の顔面にヒットしました。

「ほぐしゃあっ!!」

王子様は倒れてしまいました。

「……さて、次は木の家にするか」

白雪姫はそう呟いて、王子様を放置したのでした。
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