ドS上司の意外な一面
act:意外な展開3
***
「たっだいまぁ」
明るい声の小野寺先輩とは対照的な、真っ暗い私の心。引き出しにあったプレゼントが元カノからの物だと決まったわけじゃないのに、たったあれだけのことで嵐のように心が乱されてしまった。
「おいおい、書類が逆さまになってるよ」
耳元で小野寺先輩が笑いをかみ殺したような声で囁く。今日はやけに体を密着してきて、すっごく不愉快だな――
「何か心配事があるなら、俺でよければ相談にのるよ?」
覗き込むような視線をやり過ごすべく、微妙に椅子をずらして小野寺先輩からそっと体を離した。
「いえ、大丈夫ですから」
やんわり断ると、目を細めて私の顔を眺める。
「さっきさ、鎌田先輩と楽しい話をしてきたんだよ」
「えっと……?」
「キツネの目の前にあった、とっても美味しそうな油揚げが、トンビにさっさと捕られちゃう話なんだけどね」
「……トンビではなく、雑食のカラスなのでは?」
いつの間にか現れた鎌田先輩が小野寺先輩の腕を掴み、強引に後方へと引っ張った。
「雑食のカラス……ねぇ。ふぅん」
二人の間に見えない火花が、ばちばち散っているように見える。もしかして会議室で何かあったのかな?
自分の想いでいっぱいいっぱいだった私には、全く想像できなかった。
「たっだいまぁ」
明るい声の小野寺先輩とは対照的な、真っ暗い私の心。引き出しにあったプレゼントが元カノからの物だと決まったわけじゃないのに、たったあれだけのことで嵐のように心が乱されてしまった。
「おいおい、書類が逆さまになってるよ」
耳元で小野寺先輩が笑いをかみ殺したような声で囁く。今日はやけに体を密着してきて、すっごく不愉快だな――
「何か心配事があるなら、俺でよければ相談にのるよ?」
覗き込むような視線をやり過ごすべく、微妙に椅子をずらして小野寺先輩からそっと体を離した。
「いえ、大丈夫ですから」
やんわり断ると、目を細めて私の顔を眺める。
「さっきさ、鎌田先輩と楽しい話をしてきたんだよ」
「えっと……?」
「キツネの目の前にあった、とっても美味しそうな油揚げが、トンビにさっさと捕られちゃう話なんだけどね」
「……トンビではなく、雑食のカラスなのでは?」
いつの間にか現れた鎌田先輩が小野寺先輩の腕を掴み、強引に後方へと引っ張った。
「雑食のカラス……ねぇ。ふぅん」
二人の間に見えない火花が、ばちばち散っているように見える。もしかして会議室で何かあったのかな?
自分の想いでいっぱいいっぱいだった私には、全く想像できなかった。