嘆きの断片
それを聞いてますます男は目を見張った。あいつらは何者なんだ。ただの外国人じゃないのか。

 捜査資料が入っている段ボール箱を抱えた署員がやってきたのを見た男は、しれっと後ろについて一緒に部屋に入る。

「お待たせしてすいません。これが資料です」

「ありがとうございます」

 感じの良い口調に署員は笑みを見せる。

「見終わったら受付に渡してください──うわなに!?」

 振り返った先に男がいて署員は思わず声を上げた。

 ラクベスとパーシヴァルは、てっきり二人で来たのだと思っていたがどうやら違うらしい。

「ちょっと夢木さん。何してるんですか」

「いいからいいから」

「何がいいんです。ちょっと──」

 署員を追い出して二人に向き直る。

 すると、いち連のやり取りにどうかしたのかと二人がこちらを無言で見つめていた。
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