嘆きの断片
「あ。あ~」

 ちょっと恥ずかしくなって視線を外す。

「なんでしょうか」

「あんたら。何を調べているんだ」

 丁寧な物言いの青年に男はいささか緊張したのか若干、声がうわずる。彼らが日本人ではない事も理由の一つだろう。

「石動 春仁(いするぎ はるひと)の家族が刺殺された件で──」

「調べてどうする。あんたらは関係者か」

「いえ」

「だったら、捜査資料を見せる義務はねえよな」

「名前は」

「あ?」

「俺はパーシヴァル・アルバート。こっちはジョン・ラクベス」

 名乗ったからそっちも早く名乗れとパーシヴァルは視線で威圧する。

「夢木 仁司(ゆめき ひとし)」

「刑事課だよな。強行犯捜査係?」

「そうだ」
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