嘆きの断片
「おい、お前! 邪魔だ。こっちに来い!」
予想もしない男の出現に、パーシヴァルは顔をしかめて呼びつけた。
「なんだあいつ。コスプレの撮影なら、よそでやってくれ」
眉を寄せてラクベスを見上げる。
「あなたは」
「俺は室田 冬助(むろた とうすけ)。霊能者だ。解ったら早く向こうに──」
黒い影は苛ついたのか、言い切るよりも先に唸りを上げて男に飛びかかった。室田はそれに恐怖を覚えて体を強ばらせる。
やられる──!? 室田が目を閉じた刹那、鈍い音がしてすぐ側に人の気配を感じ、恐る恐る瞼(まぶた)をあげる。
「……あんた」
視界に入ったラクベスの背中に、自分は護られたのかとハッとして彼の左腕に数本の爪痕を見る。
予想もしない男の出現に、パーシヴァルは顔をしかめて呼びつけた。
「なんだあいつ。コスプレの撮影なら、よそでやってくれ」
眉を寄せてラクベスを見上げる。
「あなたは」
「俺は室田 冬助(むろた とうすけ)。霊能者だ。解ったら早く向こうに──」
黒い影は苛ついたのか、言い切るよりも先に唸りを上げて男に飛びかかった。室田はそれに恐怖を覚えて体を強ばらせる。
やられる──!? 室田が目を閉じた刹那、鈍い音がしてすぐ側に人の気配を感じ、恐る恐る瞼(まぶた)をあげる。
「……あんた」
視界に入ったラクベスの背中に、自分は護られたのかとハッとして彼の左腕に数本の爪痕を見る。