嘆きの断片
「なんなんだよ、おまえら」

 やおら怒られて室田も面白くない。

 パーシヴァルは室田の問いかけに少しのあいだ思案して、

「霊術士(れいじゅつし)だよ」

「なんだよ、それ」

 ただの外国人じゃねえのかよ。

 聞き慣れない言葉に顔をしかめる。着ているマントには何やら不思議な力が付与されてでもいるのだろうか、見つめていると心が妙にざわついた。

「お前は、あいつを倒せない。俺たちは、倒せる」

 念を押すように手まで使って説明する。

「あんな悪霊くらい──」

「あれは悪霊じゃねえよ。人間だ」

 室田はそれに、黒い塊を凝視した。

「嘘だろ。あんな禍々しい奴が?」

 人間が、あんなものになれるのか?
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