嘆きの断片
何もかもが憎らしい、恨めしい、引き裂いてやりたい──みんな、嘘ばかりじゃないか。オレの哀しみなど、誰も理解しようとはしない。

 みんな死ねばいい。オレが殺してやる。

 胸が詰まるほどの黒い感情が津波のごとく押し寄せ、男の怒りと憎しみにラクベスの体がきしみをあげる。

 霊術士でなければ、その意識に飲み込まれ不運を背負い込んでいることだろう。

「ウ、ウウ。殺ス」

「これが、本当にあなたが望んだことなのか」

 今のあなたに、幸せだった頃の家族の記憶は見えているのか。

「ダ、──黙、れ」

 お前も、不幸にしてやる。

 オレの前で笑う奴はみんな死ねばいい。不幸になればいい。悲劇に泣き叫ぶ奴らを見て、オレは高らかにあざ笑ってやる。
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