嘆きの断片

「パーシー!? パーシヴァル!」

 嫌な予感に青年は男の肉体に呼びかける。

 ここでむやみに体に触れて揺すると危険なため、声を掛けるしかない。

 男はびくりと痙攣し、そのあと強く咳き込んだ。

「パーシー」

「大丈夫。大丈夫だ」

 パーシヴァルは心配そうに見つめる青年に手で示し、ピッチャーの水をグラスに注ぐ。

「どうでした」

「かなりやばい」

 一気に飲み干し手の甲で口を拭う。呼吸を整え、疲れたように深い溜息を吐いた。

「ラクベス。お前で正解だったかもな」

 あれは、そんじょそこらの霊術士(れいじゅつし)では手に負えない。

「ひっかかれはしたけどよ。いくつか解ったぜ」
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