人狼王子と獣使い少女
プロローグ
闇で光る金色の瞳を、ジルは忘れることが出来なかった。
あの時、ジルはおそらく生まれて初めて獣人を見たのだと思う。
何歳だったのか、どこにいたのかすら、今となっては思い出せない。
けれども煌々と輝く瞳の残像だけが、頭に残って消えてくれない。
その瞳は、怒りに満ちていた。
同時に、ひどく寂しげだと思った。
そして、例えようもないほどに綺麗だった。
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