ずっと貴方が怖かった
「どんなの描いてんの?」
「ひっ!」
さすがにBL、なんて言えない。
「何?」
「あ……あ、その男の人が主人公……てか」
「まさかBL?」
「ひえ!」
な、ど、どうしてビンゴ!?
「へー、じゃ、あらまき、オタクっての?」
「まあ……そんなに極めてないけど……てか」
注文が運ばれてきて、高木くん、硬い表情のウェイトレスさんに「ありがと」と言って顔を綻ばせ、笑顔とお辞儀を貰ってた。
「あらまき、漫画描くのが好きなんだ」
高木くん、すっごく美味しそうにご飯頬張る。見ていて気持ちいい。こんな人にならご飯作りがいがあるだろうなあ。
「……うん」
大盛りご飯を眺めながらどうしようか悩む私。
それ以上に漫画の話、どうせ見下されるか茶化されると思っていたから、高木くんの意外な反応に私は戸惑っていた。