ずっと貴方が怖かった
きっと貴方が好きだった
「プロにはならないの?」
ご飯が一段落して、高木くんは頬杖してる。ニコニコ……そういえば高木くん、私をいつもニコニコ見てた。たまに見せる怖い顔は私には向けなかった。
「あ……てか、そんなに甘くない気が……でも、あの……毎日シコシコ描いてる……」
「楽しいんだ?」
「え?」
「漫画描くの、楽しいんだ?」
「うん……楽しい。プロにはなれないけど……」
「ああ、そういう奴がいつの間にかなっちまうんだよ」
「え?」
「あらまきは気づいたらプロの漫画家になっちまってたっつうパターンだよ、きっと」
「そ……そんな」
「ま、所詮、第三者の責任のない意見なんだけどさ」
意外。てか、こんなに支持、てか、笑わないで馬鹿にしないで話聞いてくれる人に会ったの初めて。しかも、高木くんに。