ずっと貴方が怖かった
「せ、責任とかじゃなくて……ちょっと……う、嬉しい……」
「え?そう?それは意外だね」
「な……何で?」
高木くんはそれには答えず、立ち上がり、空のグラスを持ってドリンクバーに向かった。
ぽつんと席に取り残されると、何だか妙な不安が沸き上がった。
肩を竦め項垂れて高木くんを待つ私。
「だってお前、俺の顔見るとすぐ逃げてたじゃん」
頭の上から高木くんの声。あ、すっごくほっとした。
「あれは……人見知り……」
怖かった……て、こと言えない。てか、私、高木くんのこと、怖くなくなっている。