ずっと貴方が怖かった
「お、初めて話を進めてくれたね」
「あ……そ、その、まぁ……」
「また助手席に乗ってくれる?」
「は?……な……え?」
「駄目?」
突然なので何が何だか何にも状況が把握できない。
「あの……か、か、か、か考えさせて……あの、その……」
「えー、あらまき、勿体振りー。昔っからだなー」
「あ、何で?……いえ、その……」
違います。元々、嫌いではなかったのです。ただ、貴方が怖かっただけだったのです。で、たった今私は貴方が怖くなくなったばっかりなので、もっと打ち解けるまでにもっと時間が欲しいだけです。
そうです、私は貴方が怖くなくなったってことで、これから思うことが沢山あるのです。
「またメシ一緒に食おうよ?」
「は、はい!こ、こんなや、奴でよろしければ……」
「じや、この助手席、あらまき専用な」
「ひ~」
別の意味で怖いかもです。
この人生の弾けっぷりに……
この先何が起こるのか、怖いです。
(了)