生物くんと、私。
いじわる生物くん
時が経つのは早いもので。
この前まで5月だったのにもう、7月を迎え夏休みがすぐそこまで来ようとしていた。
「ハル、夏休みに海にでも行こう」
「やだよ、プールにしよ、焼けちゃう」
「一緒じゃん!両方焼けるよ!」
私たちの話題は今は夏休みについてだ。
長谷川くんに関しては、入学してから2度目の席替えをして今ではすっかり遠くの席になったから全然話さなくなった。
ハルと話す長谷川くんを見てチクンと胸が痛んだりするけど。
前に比べたら全然マシになった。
それもこれもきっと。
生物くんのおかげだ。
生物くんといえば、やっぱりケチだ。
この前気になったから窓もドアも開けようとしたら全部鍵がかかっていて、開けてよって言ったら完全にシカトされた。
ケチ!っていったら意味わかんねって言われる。
あ、でも夏休みに入ったら生物くんにもしばらく会えないのか。
それはちょっと嫌かも。
最近では毎日生物室に通い、生物くんとその日あったこととか昨日のご飯のこととかを話す。
それが日課になってたりもする。
「千夏、お昼食べよ!」
「あ、ごめん!私、ちょっと行くところがあって!」
「え、そう?待ってよか?」
「いや、ごめん、大丈夫!」
「分かったー!」
よそよそしく教室を出る。
この前、長谷川くんがハルをお昼ご飯に誘っていた所を見かけた。
私たちは最近、教室でご飯を食べなくなったからだろうけど。
きっと長谷川くんはハルとご飯が食べたいんだ。って思ったから席を外した。
一緒に食べれなくもないけどまだそこまで立ち直ってはないから。
「生物くんの所にでも行こう!」
お昼も生物室にいるって前に言ってた!
階段を駆け下りて中庭に向かう。
そして窓ガラスを2回叩く。
そしたら、
「…今日はお昼も来たの?」
と、声が聞こえる。
この声を聞くと私は座り込む。
「うん、お昼、一緒に食べようと思って。」
「ふーん」
「生物くんはお昼食べた?」
「今から食べるよ」
「じゃあいただきます!」
「いただきます」
まずは昨日作ったきんぴらごぼうを。
「んー!美味しー!」
「ん、これ…美味い。」
「生物くん。生物くんの今日のご飯は?」
「俺は新発売のツナと梅の塩パンサンド」
「おいしそう!」
「そっちは?」
「私?私はお弁当。昨日作ったきんぴらごぼうとかほうれん草の胡麻和えとかウインナーとか!」
「そっちも美味そう。」
こんな感じでほんとたわいもない話をする。
「ねえ、もうすぐ夏休みだね」
「あぁ、そうだな。」
「んでさ、相談。夏休み会えないからメアドとか連絡先交換しない?」
「え?」
「聞いてもらいたい話とかできた時。相談に乗ってもらえない」
「俺はお悩み相談所か」
「ふふ、そんな感じ。んで、どう?」
「うーん…」
まあ、ケチな生物くんの事だからメリットが俺にはない。とか言って教えてくれないんだろうけど。
しばらく生物くんが話さない。
「ねえ、どうなの?」
さんざん考えて、悩んだ挙句、彼が出した答えは。
「いいよ」
「うん、だよね、知ってた、断られるの。」
「いいよ」
「いやいや、気にしないで、いいよなんて…。ん?いいよ?え、いいの!!!!!!???????」
「びっくりしすぎでしょ。それともなに、冗談だった?」
「いやいやいや、そんなことない、リアル。リアルだから。」
「何それ、芸人の真似?」
「いや、そんなつもりはないけど。」
嬉しい。
断られると思ってたから。
「んで、いるの、いらないの?」
「喜んで!」
「んじゃあ、はい。」
と言って紙を窓の隙間から渡してきた。
「俺のID」
「んじゃ登録するね!」
さっそく登録する。
新しい友達の欄に〝生物くん〟と出た。
「え、生物くん、生物くんって名前なの?」
「バカ、本名書くやつがどこにいんだよ、本名隠してるやつが。」
「た、確かに…」
この前まで5月だったのにもう、7月を迎え夏休みがすぐそこまで来ようとしていた。
「ハル、夏休みに海にでも行こう」
「やだよ、プールにしよ、焼けちゃう」
「一緒じゃん!両方焼けるよ!」
私たちの話題は今は夏休みについてだ。
長谷川くんに関しては、入学してから2度目の席替えをして今ではすっかり遠くの席になったから全然話さなくなった。
ハルと話す長谷川くんを見てチクンと胸が痛んだりするけど。
前に比べたら全然マシになった。
それもこれもきっと。
生物くんのおかげだ。
生物くんといえば、やっぱりケチだ。
この前気になったから窓もドアも開けようとしたら全部鍵がかかっていて、開けてよって言ったら完全にシカトされた。
ケチ!っていったら意味わかんねって言われる。
あ、でも夏休みに入ったら生物くんにもしばらく会えないのか。
それはちょっと嫌かも。
最近では毎日生物室に通い、生物くんとその日あったこととか昨日のご飯のこととかを話す。
それが日課になってたりもする。
「千夏、お昼食べよ!」
「あ、ごめん!私、ちょっと行くところがあって!」
「え、そう?待ってよか?」
「いや、ごめん、大丈夫!」
「分かったー!」
よそよそしく教室を出る。
この前、長谷川くんがハルをお昼ご飯に誘っていた所を見かけた。
私たちは最近、教室でご飯を食べなくなったからだろうけど。
きっと長谷川くんはハルとご飯が食べたいんだ。って思ったから席を外した。
一緒に食べれなくもないけどまだそこまで立ち直ってはないから。
「生物くんの所にでも行こう!」
お昼も生物室にいるって前に言ってた!
階段を駆け下りて中庭に向かう。
そして窓ガラスを2回叩く。
そしたら、
「…今日はお昼も来たの?」
と、声が聞こえる。
この声を聞くと私は座り込む。
「うん、お昼、一緒に食べようと思って。」
「ふーん」
「生物くんはお昼食べた?」
「今から食べるよ」
「じゃあいただきます!」
「いただきます」
まずは昨日作ったきんぴらごぼうを。
「んー!美味しー!」
「ん、これ…美味い。」
「生物くん。生物くんの今日のご飯は?」
「俺は新発売のツナと梅の塩パンサンド」
「おいしそう!」
「そっちは?」
「私?私はお弁当。昨日作ったきんぴらごぼうとかほうれん草の胡麻和えとかウインナーとか!」
「そっちも美味そう。」
こんな感じでほんとたわいもない話をする。
「ねえ、もうすぐ夏休みだね」
「あぁ、そうだな。」
「んでさ、相談。夏休み会えないからメアドとか連絡先交換しない?」
「え?」
「聞いてもらいたい話とかできた時。相談に乗ってもらえない」
「俺はお悩み相談所か」
「ふふ、そんな感じ。んで、どう?」
「うーん…」
まあ、ケチな生物くんの事だからメリットが俺にはない。とか言って教えてくれないんだろうけど。
しばらく生物くんが話さない。
「ねえ、どうなの?」
さんざん考えて、悩んだ挙句、彼が出した答えは。
「いいよ」
「うん、だよね、知ってた、断られるの。」
「いいよ」
「いやいや、気にしないで、いいよなんて…。ん?いいよ?え、いいの!!!!!!???????」
「びっくりしすぎでしょ。それともなに、冗談だった?」
「いやいやいや、そんなことない、リアル。リアルだから。」
「何それ、芸人の真似?」
「いや、そんなつもりはないけど。」
嬉しい。
断られると思ってたから。
「んで、いるの、いらないの?」
「喜んで!」
「んじゃあ、はい。」
と言って紙を窓の隙間から渡してきた。
「俺のID」
「んじゃ登録するね!」
さっそく登録する。
新しい友達の欄に〝生物くん〟と出た。
「え、生物くん、生物くんって名前なの?」
「バカ、本名書くやつがどこにいんだよ、本名隠してるやつが。」
「た、確かに…」