生物くんと、私。
生物くんの決意
「やばいやばいやばい!!!!!!」
「だから言ったでしょう。早めにやんなさいって。」
「時間すぎるの早すぎるよ!」
あんなにあった夏休みは。
残り3日になってしまった。
のに、宿題は終わってない。
ハルとしようと思ってたのにハルは今帰省中でギリギリにならないと帰ってこないらしい。
くっそー、ひとつも分からない。
まず、問題がなにいってんのか分からない。
…和訳?
〝You want to know my identity〟
「な…なんじゃそりゃ!
「ゆ…ゆー、わぁんと…とぅー…くのう?って何?」
ダメだ、さっぱりごじゃはげ。
これはもう。
お手上げ。
〝ピロン〟
「ん?誰だ?」
何気なく携帯を見ると。
『宿題、はかどってる?』
そこには間違いなく生物くんからのメッセージ。
え…エスパーですか…!!!!!
『わからないこさところがあるので教えてください(*_*)』
助けてもらおう。
これは自分一人の力でなんとかなるわけがない。
〝らららーらー、らららーらーらら♪〟
どこかの少年探偵が走って来そうな音楽を着信音にしているから笑いそうになったけど、どうやら生物くんから電話がかかってきたみたい。
「もしもし?」
「こんにちは」
「生物くん。こんにちは」
まずは挨拶から。
これは毎回のことだ。
生物くんと電話をするのはこれが初めてではない。
前にお母さんと喧嘩した時に話を聞いてもらったり、ハルと遊びに行った話を聞いてもらったりしていたから。
「んで?どこの問題がわからないの?」
「英語の和訳が…」
「どれ?」
「問1」
「あぁ、You want to know my identityね」
「はい?」
「これは 君は私の正体を知りたがっている だよ。今の君と一緒じゃない。」
「まじ?」
「まじだよ。嘘ついてどうすんの。」
生物くんが頭がいいのは知ってたけどそれほどとは。
「ねぇ、なんでそんなに頭いいの?」
「初めに言ったでしょ、出来が違うから。」
「…学校の先生になりなよ!」
「……なんで」
「教え方うまいし!頭もいい!」
「嫌だよ。」
「向いてると思うけどな」
「…考えとく」
「ん」
それから全く関係ない話をして。
気がつけば8時が来てご飯に呼ばれてしまった。
「ごめん、生物くん。そろそろ切り上げる」
「うん、そうだね。」
「今日はありがとう。じゃあまたね」
「さよなら」
「さよなら」
電話を切ってなぜだかほくほくしている私の頭から宿題という言葉はすっかり抜けていた。
「だから言ったでしょう。早めにやんなさいって。」
「時間すぎるの早すぎるよ!」
あんなにあった夏休みは。
残り3日になってしまった。
のに、宿題は終わってない。
ハルとしようと思ってたのにハルは今帰省中でギリギリにならないと帰ってこないらしい。
くっそー、ひとつも分からない。
まず、問題がなにいってんのか分からない。
…和訳?
〝You want to know my identity〟
「な…なんじゃそりゃ!
「ゆ…ゆー、わぁんと…とぅー…くのう?って何?」
ダメだ、さっぱりごじゃはげ。
これはもう。
お手上げ。
〝ピロン〟
「ん?誰だ?」
何気なく携帯を見ると。
『宿題、はかどってる?』
そこには間違いなく生物くんからのメッセージ。
え…エスパーですか…!!!!!
『わからないこさところがあるので教えてください(*_*)』
助けてもらおう。
これは自分一人の力でなんとかなるわけがない。
〝らららーらー、らららーらーらら♪〟
どこかの少年探偵が走って来そうな音楽を着信音にしているから笑いそうになったけど、どうやら生物くんから電話がかかってきたみたい。
「もしもし?」
「こんにちは」
「生物くん。こんにちは」
まずは挨拶から。
これは毎回のことだ。
生物くんと電話をするのはこれが初めてではない。
前にお母さんと喧嘩した時に話を聞いてもらったり、ハルと遊びに行った話を聞いてもらったりしていたから。
「んで?どこの問題がわからないの?」
「英語の和訳が…」
「どれ?」
「問1」
「あぁ、You want to know my identityね」
「はい?」
「これは 君は私の正体を知りたがっている だよ。今の君と一緒じゃない。」
「まじ?」
「まじだよ。嘘ついてどうすんの。」
生物くんが頭がいいのは知ってたけどそれほどとは。
「ねぇ、なんでそんなに頭いいの?」
「初めに言ったでしょ、出来が違うから。」
「…学校の先生になりなよ!」
「……なんで」
「教え方うまいし!頭もいい!」
「嫌だよ。」
「向いてると思うけどな」
「…考えとく」
「ん」
それから全く関係ない話をして。
気がつけば8時が来てご飯に呼ばれてしまった。
「ごめん、生物くん。そろそろ切り上げる」
「うん、そうだね。」
「今日はありがとう。じゃあまたね」
「さよなら」
「さよなら」
電話を切ってなぜだかほくほくしている私の頭から宿題という言葉はすっかり抜けていた。