生物くんと、私。
〜千夏 side〜

「千夏、ヨーヨー膨らませて!」

「おっけー」

お客さんが途絶えなくてずっと忙しすぎる!

どれもすごく人気なんだけど、中でもわたがしとヨーヨーは絶大な人気を誇っていた。

おかげで買い出しに行かされるわ、ヨーヨー作らされるわ…。

さて、どこで作ろうか…

邪魔にならないところがいいよね…。

あ。

輪投げの景品置き場の裏でやろう!

あそこなら邪魔にならないし!

「どっこいしょ…」

ずっと立ちっぱなしだったから足が痛い。

床にしゃがみこんで作るのはどうかと思ったけど、机の死角だし大丈夫っしょ!

1個、また1個と作るけどどんどん持っていかれる。

そんなに足りてないの?

こんなにヨーヨーが人気なのは多分柄にある。

普通の柄じゃなくて、クラスみんなで手分けして作ったものだから。

ひみつ道具を出してきそうなタヌ…間違えた、ネコ型ロボット柄とか、どこかのスーパーヒーロー柄とか、お花柄とかとにかく世界に一つだけの、個性豊かなヨーヨーだから。

ちなみに、クラスで絵が上手いサキちゃんのヨーヨーが一番人気だったりする。

私のは…。

ハルにバカにされた私の中では自信作だったクマのヨーヨーは死ぬほど売れ行きが悪い。

誰も選ばないとは…

ヨーヨーのプールを見ると、私が書いた目が死んでるクマの柄のヨーヨーがたくさん見える。

まあ、私がお客さんでもあれは、狙わないな…。
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