生物くんと、私。
病院に行くため、母さんと車に乗り込んだ。

昔、おじいちゃんが入院していたことがあった。

その時、行った病院かと思ったらそうではなく。

もっと大きい病院だった。



看護師さんに場所を聞き、慌てて病室に行った。

〝 ピッピッピッピッ〟

子供でも分かる、嫌な電子音が顕季がいる部屋から聞こえる。

恐る恐る、部屋に入る。


「あら、照くん。来てくれたの?」

おばさんがつくり笑顔をした。

俺は昔から空気を読む力だけは人一倍あった。

おばさんから伝わる、少し緊張しているような空気。

そっとベッドに目を移すと。

「っ……!!!!!」

ベッドに横たわって何本もの管が顕季を拘束している。

電子音はしているのに目は開いていない。

元々細かったのにもっと細くなった腕。

顕季を〝 死〟が飲み込もうとしているように見えた。

「おいっ!顕季!」

起こそうと顕季を揺らす。

でも、目は開かない。

「おばさん!顕季は、顕季は大丈夫なの!?」

そう言うと困ったように目を伏せるおばさん。

「顕季は…なんの病気なの…!」

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