朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「恋愛興味ナシだった咲桜がねえ、てね」
「れ、恋愛とかそういうんじゃなくて! なんかこう……おめでとうとかありがとうとか! そういう感じ!」
「よくわからないよ」
桃もこういう感覚的な発言が多かったから、こういうとこ遺伝だなあ、と思うけど。
それから咲桜は、なにやら考え込みはじめた。
どうしたら承諾が出るか考えているんだろうけど、流夜くんからも言われればすぐに肯くんだけどなあ。
脅してあるし。
――私が流夜くんのところへの泊まりを許したのは、翌日だった。
咲桜は拍子抜けしていたけど、「流夜くんのお誕生日、ちゃんとお祝いしてあげなさい」と言って置いた。
……何があった? と、咲桜は自覚はないだろうが声に出して呟いていた。