朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「それ、は――申し訳なかったと反省してるわ。そういう事情があるって知らなくて……って、言い訳になるわね。撤回する。どういう事情があれ、理由を訊かずに無理にさせようとしたことはわたしのダメなところだわ」
「そっか。……咲桜ちゃんもさ、似たようなの、あんだって」
「え? わたしみたいに早とちり?」
「んじゃなくて、俺の方。……首に何か触れると、ダメ。咲桜ちゃんは過呼吸起こしちゃったんだって」
「そ――なの……」
「うん」
「それは、ね……あれ? でも咲桜ちゃん、ネックレスしてなかった? 藤城は内部の校則は緩いって聞くけど」
「あ、あれは咲桜ちゃんの彼氏があげたんだって。そいつのおかげで、今はもう首に触れても大丈夫みたい」