朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「い―――……、悔しい、じゃない……女なのに、親友たちに負けてるって……」


「負けてない。そう言えば俺も、そういうのちゃんと言ってなかった。ごめん」


「だから謝るんだったら、


「言わせて?」


「――――」
 

口を噤んだ絆が、三秒ほど置いてこっくり肯いた。


「俺が一番大事なのは、優先するのは、絆。絆以上の人はいない。りゅうもふゆも敵わない。……だから、俺とずっと一緒にいてほしい」


「……一緒になら、もういるじゃない」


「そうだな。じゃあ、もう一回な?」
 

絆の耳元の髪を掻き上げ、唇を寄せた。


「    、    。           、          」


「………わたしも、言ってなかったことあるわ。それを聞いてもらっていい?」

< 145 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop