朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


あー、もう愛してる。大すきだからさ。


……頼むから、俺より前には出ないで。


大切なんだ。


危険にさらすことがわかっていてもそこにいてほしい。


俺に護らせてよ。絆を護ること、俺が生きている理由にさせて。


前にいても護るし援護射撃もするけどさ。


……生きている理由や価値を探さなかった俺たち。


犯罪の世界に関わることが、生きている理由だったから。


……うん、わかった。半分は、そのままでいる。だからもう半分は、全部絆のために生きたい。


……いいかな?
 

あー、また泣いて。うんうん。……待たせてごめん。すきになってくれて、ありがとう。これからは俺が腕広げて待ってるからさ。いくらでも泣いていいよ。もうこれからは、一緒に生きよ?


「……何浸ってんだ、こいつ」


「色ボケ中だよ。放っておくのが一番」
 

親代わりの二人、辛辣だった。

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