朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
なんだこの仕打ち。育ての親、容赦なさ過ぎだろう。
泣いてこの店逃げ出したい。
結局俺は、半分泣きかけて《白》を飛び出した。
少しだけ静かになった店内では、カウンターの中で龍さんがため息をついていた。
「……あんまいじめてやんなよ。お前の八つ当たりは四方八方飛び越えて六十四方以上に向くからめんどくせえ」
「え? 正しい指摘じゃなかった?」
「正しさに重きを置かねえお前が言っても説得力ねえ」
「否定出来ないなあ」
「……明日にゃ流夜、地獄を見るな……」
「それも否定出来ないなあ」