朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
side遙音
「……笑満ちゃんはそれでいいの?」
七月三十一日。午前の補講が終わった後、咲桜はすっ飛んで帰って、頼は相変わらずフラフラしていて、笑満ちゃんは俺と一緒に、咲桜と出逢ったという公園にいた。
「え? 勿論。在義パパは乗ってくれるよ」
笑満ちゃんはキリッとした顔で返した。
うーん、まず驚くのはあの華取在義さんを『在義パパ』などと呼べる肝の据わり具合だ。
じゃない、なんで父親と口裏合わせをしているんだ。
はっきりと再会する――前から勿論、学内で笑満ちゃんのことは認識していて、かなり意識して見ていたから感じてはいたけど、……なんっか色々ずれてるんだよなあ……。
……咲桜とか頼の所為なのかなあ……複雑。
「乗ってくる華取さんもどうかと思うけど……」
相手が神宮だから許したのだろうけど。
……うーん、まだ唸ってしまう。