朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「話、変わっちゃうんだけど、大事なことだから言っておくね? ……もし、この先不安にさせるといけないから今のうちに言っておくけど、俺、笑満ちゃんが高校卒業するまで、キス以上はナシでいるつもりだから」
笑満ちゃんは二度瞬いた。
「……それはあたしに女の人っぽい魅力がないから?」
「いや、全然そういうんじゃなくて! 笑満ちゃんは誰よりも女の子だし! ……言うのは、もしそういうことがあって、その目的が達せられてしまったとき、負担がかかるのは女の子の方だろ?」
「目的が達せられ?」
ややこしい言い回しがわからなかったようで首を傾げるから、俺は唸って頭を抱えた。
「……直球に言うと、子供が出来るってこと。その行為の本来の目的って、子孫を残す、だろ?」
「あ―――」
やっとわかった笑満ちゃんは顔を真赤にさせて、ばっと握る手を見た。そ、そうだよ、ね。と呟いている。