朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
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重なった手を繋いで、二人帰り道。
「遙音くん――今がまだ無理だったら、いつかでいんだけど。……お母さんとお父さんに、逢ってほしいの」
「いいの? それって、その……付き合てるって……」
「うん。ちゃんと、知っておいてほしいし。今だけの付き合いが嫌なのは、あたしも一緒だから」
「……なんか照れる」
ふいとそっぽを向くと笑満ちゃんが慌てだした。
「あ、あたしなんて顔からマグマ出そうだよっ」
「俺だって噴火警戒レベル半端ないって。でも、別に嫌なわけじゃないよ。俺と付き合ってるって知られて、笑満ちゃんが嫌な思いをする可能性があるのが嫌なだけで」
「そうなの? そんな心配お父さんたちならいらないと思うけど……」
「うーん……たぶんそうなんだけど、……やっぱり二宮さんや華取さんとは、おじさんたちは違うわけだし――」