朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「元気だった?」


「……はい」


「笑満の先輩だったのね」


「はい……」
 

そう言われて、俯いてしまう。


「笑満のこと、迎えに来てくれたのかしら?」


「………っ」
 

見上げた生満子さんは、悪戯っぽく微笑んでいた。


「笑満、オトのこと大すきだったものね。ねえ、笑満」


「えっ、……う、うん」
 

笑満ちゃんは両親を前に恥ずかしそうに肯いた。


恥ずかしそうにだけど、はっきりと肯いた。


生満子さんは嬉しそうに促した。


「取りあえず、入って? お父さんも、そんな顔で帰って来たの? 顔洗った方がいいわよ?」

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