朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


腕を伸ばして、私の耳をふさいだ。


「笑満?」と不思議顔をすると頼も瞬く。笑満はキッと流夜くんを睨んだ。


「咲桜に乱暴な言葉吹き込まないでください! ただでさえ在義パパのせいで変な方向の知識だけ特化してんですから、先生も同じ側だとは聞いてますけど咲桜に悪影響及ぼすんなら咲桜あげませんよ!」


「………」
 

流夜くんが笑満に怒られた。
 

流夜くんは「あー」とうなった。怒られることの自覚があったようだ。


「すまん。改める」


「そうしてください。あたしの王子様に変なこと吹き込まないでくださいね」


「―――松生、その言い方も改めることを勧める」
 

じゃないと、と続けて、


「………」
 

流夜くんがちらっと先輩を見たので、私も視線を動かす。


先輩はダメージを受けたみたいな感じだった。


みぞおちの辺りを押さえてうつむいている。先輩、何かあったのかな?

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