朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「咲桜を男扱いしないでくれるか」
「男扱いなんてしてません。こんな綺麗可愛い子を」
睨みあう彼氏と親友に挟まれて、どんどん困ってきた。
ええと……これってどういう状態なんだろう……。
それに気づいてか知らずか、宮寺先生が声を挟んで来た。
「神宮、お前の相棒は華取さんとのこと、勿論知ってるのか?」
「―――」
「あいぼう?」
黙る流夜くんに首を傾げる笑満。
途端、それまで動かなかった先輩の手が宮寺先生の後ろ襟を摑んだ。
「――宮寺、ちょっと来い」
「は?」
なんだよ、と言いながら宮寺先生は先輩に引きずられていく。
廊下に出てドアが閉められた。