朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「……なんだあれ」
「気にするな」
流夜くんの返事聞きながら頼がドアに向けて一度シャッターを切った。
「流夜くんの相棒って誰ですか?」
「あいつのいつもの戯言じゃないか?」
「琉奏先生のいつもなんて知りませんが。ふーん? へえー?」
「……。松生、本当にさっきの言い方はやめてほしい」
にやにやする頼を横目に、流夜くんは再度念を押す。
「なんでですか。当たり前のことなのに」
「……自分の女、男扱いされて喜ぶ奴があるか」
「―――」
「……先生、さらっと言わないでください」
「当り前のことだ」
流夜くんには照れた様子が全くない。
いつも思うけど、流夜くんはメンタルが強いのか鈍いだけなのか……。