朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「あー、はい。もらったのは高校の頃です。ちょっと大変でしたけど……」
 

俺が藤城生で、三人が桜庭生だった頃のことだ。こんなことがあった。


「雲居―、春芽―。ちょっと頼みがあるんだけど」
 

休日の桜庭の寮に訪ねて来た俺に、内容を聞いた二人は快く応じたのだった。


面白そうだからいいよー、と。


「あともう一つお願いしたいんだけど……」





「ここ? 入っていいのか?」


「今ならいるからね。もう少ししたら一緒に寮を抜ける時間だけど」


「あいつはストレートに話した方が早いからな」
 

春芽と雲居に言われて、肯いた。


ノックすると「はい」と応答があった。


「神宮。休日にすまない。宮寺だ」


「あ?」

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